生きるために備えるもの

前代未聞の台風10号・・・Uターンして戻ってくる台風なんて、経験したことなどありませんね。関東地方への直撃とはならなかったので、さいたま市は暴風雨にはならず、子どもたちは元気に登園できました。

 

さて、今日の寺子屋は、子どもたちの活発な意見が多く出ました。まずは、台風で、被害を受けた画像を見せます。そこに、自衛隊が救助にあたっている写真を見ると、4歳男の子が、「ぼくのパパが、やっている仕事だよ」とうれしそうに話します。父の仕事を誇りに思っているようで、いいですね。

 

本題は、ここからです。

 

「台風が来て、家の前の道路も川のようになって、外に出られません。水道も、電気も、ガスも止まってしまいました。そんな時に、みんなが生きるために、何をしたらいいか考えてごらん」

 

いきなりの質問に戸惑う子どもたちです。「それじゃ、1つ教えるよ。人が生きていくには何が必要だと思う?」

 

5歳女の子が「息ができて・・・あと食べ物だ!」と答えると、ここから意見が活発になります。

 

「食べ物があっても、水を飲まないとダメなんじゃない」

「台風の前に水道の水を、やかんとかにためておけばいいんじゃない」

「水って腐っちゃうんじゃないの。ずっと飲める?」

園長「そうだね。腐らない水は、イオンにも売っているよ。どんな水?」

「そうだ!ペットボトルだ。うちでは、ママがたくさんしまっているよ」

園長「食べ物はどうする?」

「台風が来る前に、お腹いっぱいご飯を食べたらいいんじゃない」

「そんな食べられないよ。おにぎりをたくさん作っておけばいいんじゃない」

「でも、おにぎりだって、腐っちゃうんじゃないの」

「そうだ・・・お菓子だったら腐らないよ」

「お菓子はご飯じゃないんじゃないの」

園長「チョコレートは疲れた時にすごい栄養になるよ。お菓子もいいんじゃない」

「やった!それじゃ、お菓子をたくさん買っておこうかな・・・」

 

こんな感じで、会話がどんどん進みました。「生きるため」という課題は、子どもたちにとっても、興味ある内容だったようです。ただし、この会話に参加できたのは、4歳児、5歳児の年中、年長だけです。3歳児は、ただ聞いているだけでしたが、それでいいのです。自分が、まだ会話に参加できないことを知ることが大切なのです。

 

3歳児は、1年先の活躍のために、今は先輩から学ぶのです。