コの字型の授業

和歌山県の伊都中央高校は、昨年の10月から、テスト時以外は、ホームルームも含めて机はすべて「コの字型」です。4人組での活動が中心だそうです。

 

スタート時は、「スタイルを変えることに抵抗がある先生もいた」と言います。教員によっては、「コの字型一斉授業」となってしまうこともあったそうです。今まで、黒板に向かって机が配置され、生徒たちは、先生の顔しか見ることができません。後ろを振り返らない限り、他の生徒の顔を見ることはできません。今までのやり方が、当たり前に思っていた先生たちが、戸惑うのは、当たり前のことかもしれません。

 

保育園の子どもたちを見ていると、先生からの影響力以上に、他の園児から多くを学びます。まだ小さい園児は、年上の園児のマネから入ることが多いですが、寺子屋同士になれば、マネだけでなく、学び合いが発生します。

 

社会に出れば、オフィスのデスクは、相手の顔が見えるところに配置されています。最近では、自分のデスクが固定されないで、毎日好きな場所で、その日の気分で、好きなコミュニケーションで仕事をするような会社も出てきました。

 

私が新入社員の頃は、上司の存在は、学校の先生のように、細かく仕事を教えてくれるわけではありません。先輩の電話での会話内容や仕事のスキルはもちろんのこと、あまり仕事ができると思えない先輩が、どうしてこんなにも人望があるのか・・・という、「仕事ができるか出来ないか」ということ以外の、様々な事を顔が見える机の配置から学びました。

 

伊都中央高校の取組みの成果は、これから実績を伴っていくのでしょうが、世界の学校の教室の配置は、一斉授業型ではなく、学び合い型にシフトしていることは間違いありません。それは、子どもたちが、社会に出てからの力にも大きくプラスの影響を与えるのです。日本でも、このようなスタイルが間違いなく増えていくことでしょう。