「縦割りチーム」で競い合う中学校

今日は、早朝から「体操ニッポン団体金メダル」が達成されました。様々な「運」を引き込むのも実力のうちですね。土壇場で、実力通りの力が発揮できることが、何よりもすばらしいことです。

 

さて、広島県福山市に生徒数408人の大門中学校があります。平成26年度に赴任した二畑校長は、この学校に新しい風を吹き込みました。

 

その一つが、「縦割りチーム」での競い合いです。全学年が4学級あるので、1年生から3年生まで縦割りの4チームで、5月の体育祭を行ったそうです。中学校なら普通は、学年別のクラス対抗で競い合うのが相場ですが、二畑校長は、ここにタテの関係を持ち込んだのです。

 

この4チームの活動は、運動会だけでなく、文化祭や通常の学習活動の中にも広げていくそうです。中学校1年生にとっては、3年生の知識や行動は、逆立ちしてもかないません。そんな先輩の影響を大きく受けて成長します。

 

逆に、中学校3年生にとっては、後輩に「教える」ことで、さらに、自らの学びが深まります。人に教えるということは、それだけ、責任を持つということにつながるのです。そして、自らの知識も上書きされるのです。

 

二畑校長は、さらに、全国優勝を果たした高校陸上部をマラソン大会に招待します。中学生にとっては、「本物」を実感する、またとない機会になったそうです。

 

「変化の激しい社会をたくましく生きる子どもを育てる」ことが、二畑校長の目的だそうです。そのために、頻繁に「石投げ」を行って、「波紋」を起こしています。「波紋」が起こらないところには、何も生まれないし、問題解決の機会もないと言います。

 

私たちは、大人になると、なるべく他の人たちと「波紋」を起こさないように、生きてしまいがちですが、子どもたちにとっては、中学校時代に経験する多くの「波紋」が、生きる力の核になっていくのかもしれません。

 

ホワイトきゃんばすの異年齢保育のように、どんどん、子どもたちの中に「タテの関係」が広がっていくことを期待したいですね。