子どもが生まれて、子ども自身の最初の集団生活は、ほとんどの場合、保育園や幼稚園ということになります。そこに待っているのは、小さなトラブルの宝庫・・・毎日、楽しいこともいっぱいありますが、自分の思い通りにならないことを経験するのです。
ホワイトきゃんばすでは、園児同士のトラブルが始まると、叩き合いや噛みつきでなければ、すぐには止めません。「よし!子どもたちが成長する機会ができた!」と見守ります。
理由は簡単で、自分の思い通りにならないことを幼児期や子どもの頃にたくさん経験することで、次の行動を考えるようになり、ちょっとやそっとのことでは、めげない強い心が生まれるからです。これは、子どもたちが大人になった時に、大きな力を発揮します。簡単にキレてしまったり、自暴自棄になったりしないように、自分をコントロールできる力となるのです。
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、19人が殺害されるという、戦後最悪の事件が発生してしまいました。遺族の皆様だけでなく、障害者施設で働く人たちにとっても、許されない悲しい出来事でした。本当に心が痛みます。
26歳の犯人の男は、教育実習生時代には、慕われる先生だったとか、希望をもって障害者を支援する仕事に就いたなど、様々な報道がされていますが、「ゆがんだ価値観」「強い自己肯定感」「不安定な精神状態」を招いた「心の闇」という評論で片付けられる、一連の報道パターンにもなっています。
「心の闇」ですべて解決しないで・・・と思うのは、私だけではないと思います。人は一人では生きていけませんが、他の人と接することで、当然、性別も肉体的にも、考え方も、自分と違う人だらけであることに気がつきます。そこでは、当然ですが、自分の思い通りにいかないことをたくさん経験するわけです。
「違いを認める」と言葉にすると、とても簡単で誰でもできそうですが、そう簡単に認めることができないのが、また人間という生き物なのかもしれません。
この事件に関しては、詳しいことも知らずに、評論すべきではないですが、今、私がすべきことは、子どもたちに「自分の思い通りにならないことをたくさん経験させる」ことです。
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