小学校の頃、毎日野球の練習をしていた少年は、「あいつ・・・プロ野球選手にでもなるつもりかね?」と人に笑われた。
大リーグに挑戦することが決まり「首位打者をとる」と言った時は、アメリカのみならず、日本のプロ野球ファンからも「大リーグでバッターは通用しないよ」と笑われた。
そして、日米通算4257安打の世界記録を達成すると、それまでの記録保持者のピートローズからは、「俺の記録にはマイナーリーグの安打は含まれていない」と笑われた。
人に笑われるようなことがあれば、やめてしまうのが、普通の人の行動ですが、イチロー選手は、もちろん、普通ではありませんので、笑われることを糧にしてしまうのです。そして、本当に、50歳まで現役を続け、大リーグ通算で4257安打を達成してしまうかもしれませんね。
イチロー選手の偉業は、世界中の多くの人々から尊敬の念で語られています。「凄い記録」の凄いを何度言っても足りないくらいですね。しかし、「おめでとう」と言われるのは、彼の本意ではないかもしれません。
彼の目標は、4257安打ではありません。数字設定での目標ではなく、技術的な、イチロー選手にしかわからないものかもしれません。
イチロー選手は、小学校の卒業作文で、プロ野球選手になる夢だけでなく、どうしたらプロ野球選手になれるか、その手段までも書いています。出身高校の野球部部室には、試合後の反省ノートのイチロー選手のコメントが貼ってあるそうです。内容は、内角のカーブを打てるようになるために、次の練習目標が書かれているそうです。
ルーティンという言葉は、ラグビーの五郎丸選手のポーズで有名になりましたが、イチロー選手の打席に入る前の素振り、打席に入ってからの動作は、いつも同じですね。継続は力なりとはよく言ったもので、イチロー選手の凄さは、継続するルーティンと言えるのかもしれません。
私たち凡人は、イチロー選手のようには、もちろんいかないのですが、可能性のある、子どもたちには、「何になりたい?」と聞くだけでなく、「○○になるには、どうしたらいい?」まで、きちんと問うことが大切ですね。イチロー選手の作文のように・・・
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