歴史的訪問

以前、韓国に留学経験のある若者と話をしました。韓国の若者は、日本への屈辱的な歴史をとことん学校教育で叩き込まれるそうです。しかし、多くの若者は、過去ではなく、未来をどうしていくかを冷静に考えているとのこと。

 

アメリカの若者の認識も変わりつつあります。広島、長崎への原爆投下は、日本の真珠湾攻撃への代償であり、原爆投下で戦争が終わり、これ以上の死者を出すことはなかったという、原爆投下を正当化する考えがいまだにアメリカ世論の中心であることは間違いありません。アメリカでも、とことん学校教育で、この考えを叩き込まれるのですが、少しづつ、「原爆投下は本当に正しかったのか?」を考える若者が増えているそうです。

 

戦後71年という長い月日が経過しましたが、アメリカの現職大統領が、初めて広島を訪れました。これは、世界で最初に原爆を使用したアメリカと、世界で最初に原爆を落とされた日本の2国間だけの問題ではありません。

 

世界にとっての歴史的な一日です。

 

オバマ大統領の17分間のスピーチをそれぞれの日本人が、いや世界の人々が、様々な思いで受け止めたことでしょう。スピーチの最後に、オバマ大統領は、子どもたちのことに触れます。子どもたちが選ぶ世界に、核兵器がない世界が広がっていれば、今日は、その大切な一歩と言えるのでしょう。

 

若い世代の多くが、今日という一日の意味を深く感じたに違いありません。明日の世界を担う若者たちに、私たち大人が、平和へのバトンをつなぐのです。