現職大統領の広島訪問

オバマ米大統領が、現職の大統領として初めて広島を訪問することになりました。世界で、唯一の核被爆国である私たち日本人にとっても、世界中の平和を願う人々にとっても大きな出来事です。

１９７０年にNPT（核拡散防止条例）が締結されました。加盟する国は、これ以降、新たな核を保有しないというもので、「核の存在をコントロールできる国」として、今でも、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国は、核を保有しています。

NPTに加盟していない、インド、パキスタン、北朝鮮も核を保有しています。世界では、他にも核保有国と疑いがある国があります。これらの国々は、「核の存在をコントロールできない国」として、世界からは非難の対象となっています。

世界からすべての核がなくなることは、現実には難しいことです。実現不可能なことかもしれません。

原爆を保有する国の大統領が、平和を訴えたところで・・・と批判的な考えを持つ人もいるでしょう。しかし、日本人は、お隣の国々が「謝罪せよ！」と言われることに、「過去のことではなく、これからのことを話そう」と考えます。オバマ大統領に謝罪を求める声は、ほとんどありません。

これからの世界の平和を考えているからです。

広島の原爆慰霊碑に書かれている言葉です。

「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」

過ちを犯したのは誰なのか考えてしまいます。アメリカ、それとも戦争に突入した日本、いや、過ちを犯したのは「人」です。そして、過ちを許すことができるのも「人」です。

オバマ大統領のスピーチは、平和を訴える内容になるのでしょう。世界の人々にとっては、日本の広島という所に、原子爆弾が投下され、多くの命が失われたことを知ってもらうきっかけになり、平和を深く考える日になることを願います。