「名刺」で保育園を開く

今日の屋上では、ついに池に黄色の菖蒲(しょうぶ)の花が咲きました。5月7日の保育参観では、子どもたちは、保護者と一緒に屋上遊びを楽しみますので、それまで、花が咲いているとうれしいですね。絹さやとスナップエンドウの収穫もそろそろおしまいです。保育参観が最後の収穫になりそうです。

 

さて、会社などの組織に勤める人にとっては、「名刺」は仕事をする上に、とても大切なツールになります。ただし、交換した名刺をそのままにしておくと、「この人誰だっけ?」となるので、私は、いただいた名刺に、日時と商談内容など後でわかるようにメモをしていました。もっと凄いのは、名刺に似顔絵を書いてしまう人もいました。

 

首都圏で12ヶ所の保育園を運営する、あすみ福祉会という社会福祉法人が、この4月、全職員400人に「名刺」を配布したそうです。目的は、保護者をはじめ、外部とのコミュニケーションに積極的に活用し、保育を開いていくツールに・・・ということだそうです。

 

普通の会社では、営業職などの外部に関わる担当だけでなく、全職員が名刺を持つことは珍しいことではありませんが、保育界では、このような取り組みはほとんどありません。

 

私も、外部の保育研修やセミナーなど、ホワイトきゃんばすにとって有意義な会合に、積極的に出席しますが、名刺交換をしても、相手が、現場で働く保育者だと、「名刺を持っていません」ということが頻繁にありました。

 

「最近、保育を改革していくことに積極的な園と、昔ながらのやや閉鎖的な園とに二極化しているという印象がある」と、保育士を養成する白梅学園短期大学の花原教授は語ります。

 

「保育者の育ちには、園内研修も大切ですが、外に出て自分を開くことも重要です。他園の保育実践を見学したり、研究会に参加するなどして、多様な保育を知ることで、自身の保育実践に役立つのです。その中で、いろいろな保育関係者とつながり、視野を広げる経験が必要です。名刺は、そんなコミュニケーションの入口となるツールの1つになります」とも語っています。

 

当然ですが、名刺を活用することが目的ではなく、これをツールにして、外部とのコミュニケーションを広げ、仕事に役立たせることが、大きなねらいです。

 

遊びを通じた育ちを、社会に向けて保育界が十分に発信してこなかったのでは?・・・

保育は託児ではなく、子どもたちの未来をつくる、最高の仕事・・・

これらのメッセージを広く外の世界に発信していくことが、これからの保育園に求められ、実践していかねばならないことだと思っています。