その男は、期待の高卒ルーキーとして、1年目から開幕スタメンでシーズンに突入。しかし、26打席無安打を続けていました。そして、ついに、27打席目にて、プロ初安打が、ホームランとなりました。今から58年前の1959年4月26日のことです。
しかし、1年目の成績は、打率161 本塁打はわずか7本に終わります。2年目も打率270 本塁打17 3年目打率253 本塁打13とパッとしない成績で終わります。
3年目のオフに荒川打撃コーチに指導を受け、「一本足打法」という多くのバッターがトライすることのない打法で、開花します。このシーズンの7月1日に、初めて公式戦で一本足打法を披露し、夏にかけて打ちまくります。
そして、入団4年目にて、38本塁打85打点と2冠王に輝くのです。もうおわかりですね。彼の名前は、世界のホームラン王・・・王貞治さんです。
その後、引退まで公式戦868本の本塁打を記録します。当時、ハンクアーロンの持つ、世界記録を破る756号を後楽園球場で見ていたのが、中学1年生だった私です。(関係ない話ですみません)
「タラレバ」という言葉は、色々なところで使われますが、もし、結果が出せないルーキーを当時の水原監督が使い続けてくれなかったら・・・もし、荒川コーチと一本足打法出会うことがなかったら・・・
あの野村克也さんが、まだ若い頃に、王貞治の練習を見て「こいつには、いつか抜かされるな~」と瞬時で悟ったそうです。
色々な幸運のめぐり合わせは、結局は、満足する成績が残せない時でも、あきらめないで、練習を積み重ねた、王貞治本人の力で、導いたものなのでしょう。
この4月、様々なところで、新人さんが奮闘していることと思います。ありきたりの言葉ですが、「あきらめないで継続する」・・・これで、自らの力で、幸運を導いてもらいたいですね。
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