仙台駅から徒歩数分。賑わう朝市場の一角にある雑居ビルの5階。園があるとは思えない環境の中に、朝市センター保育園があります。「子どもは子ども時代をたっぷりと子どもらしく、大人たちは、どの子もわが子のように、家族のように」をモットーに、約30年間、この地で保育園を続けてきたそうです。
「園庭がなければ外へ出ればいい。部屋が狭ければ、市場全部が保育室」と、地域から受け入れられた認可外保育園です。
しかし、平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度で、この朝市センター保育園が存続の危機を迎えました。
この保育園は、認可外保育園ですが「せんだい保育室」として、補助金等を仙台市から支給され、運営しています。しかし、仙台市は、新制度の前年の平成26年に、「せんだい保育室」制度の廃止を決めました。
これによって、新制度で国が認可する0~2歳児対象の小規模保育か、大規模の認可保育園のどちらかの選択を迫られます。朝市センター保育園は、0歳~5歳児までの異年齢保育をしていました。現状、仙台市からの補助金がなければ、存続は難しく、存続の危機となったのです。
「保育園落ちた。日本死ね」というブログが、先日社会問題となりましたが、平成27年4月からの新制度に伴い、地方自治体の多くが、認可外保育園に対して、独自に補助金を出して、待機児童解消を図っていたのですが、「自分でカネを出すのはやめて、国に乗っかろう!」ということで、仙台市のようなことになっているのです。
「保育園をたくさん作ればいい」「保育士の待遇改善を図ればい」という表面だけの議論でなく、定員30名から60名クラスの異年齢保育などを行っている中規模クラスの保育園が、どんどん廃園に追い込まれている実態を把握しなければなりません。
実は、さいたま市も認可外保育園に対して、「さいたま市認定ナーサリールーム・家庭保育室」の制度があったのですが、平成27年度より新規認定を廃止しました。既存の「ナーサリールーム・家庭保育室」についても、ここ数年内に、さいたま市認定をなくすことが決まっています。
仙台の朝市センター保育園は、インターネットで幅広い人たちから募金を集める「クラウドファンディング」などや地域の支援で、平成29年度から認可保育園として再スタートするそうです。
さて、ホワイトきゃんばすは、まさに、中規模の異年齢保育を行う保育園です。しかも、さいたま市や国からは、一切の補助金ももらっていません。こうして、存続できるのは、ホワイトきゃんばすを利用する多くの保護者のおかげです。毎年4月に、認可保育園に転園する園児も毎年減少し、ホワイトきゃんばすを卒園し、小学校へ入学する園児が増えてきました。
これからも、職員一同、「子どもたちの笑顔のために」知恵を絞って、お金がたくさんなくても素晴らしい取り組みを続けていきます。ご期待下さい。
今日は、熱い熱いメッセージとなり、失礼しました。クールダウンします。(笑)
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