花は咲く

2011年3月11日から5年の時が経ちました。死者、行方不明者、震災関連死者を合計すると20,000人以上の犠牲となりました。3・11は、日本のみならず、世界の人たちも決して忘れない、語り続ければならないと強く思う日です。

 

保育園の子どもたちも、3・11を経験した園児は、7人だけです。それも1歳だった園児が4人。まだ0歳の園児が3人です。7人の子どもたちは、午後2時46分の出来事を誰も覚えていません。

 

昨日の寺子屋では、子どもたちにとっては、悲しい気持ちになるかもしれなかったのですが、震災の映像を見ながら、話をしました。

 

津波で家や車が流されている写真。がれきの中で救助隊に救出される女性の写真。商品が粉々になってしまった陶器店の写真。小学校の体育館で避難生活を送る人たちの写真。コンビニエンスストアの空っぽの棚の写真。電車が止まってしまい駅で帰れない人たちの写真。

 

いつもは、おしゃべりが大好きな5歳男の子もこれらの映像を前に、黙って、ただただ見つめるだけです。そして、「この流されているのは、本物のおうちや車だよね?」「体育館の人たちは、食べるものはあるの?」「なんでコンビニなのに何も売っていないの?」と疑問だらけです。

 

一つ一つに答えながら、子どもたちは、「大きな地震があって、おうちが壊れてしまって、海では津波がやってきてみんがながされてしまい、電車も動かない、コンビニでもスーパーでも食べるものがなくなった」という現実を感じたようです。

 

6歳女の子が、こんな話をしてくれました。「昨日おうちに帰ったら、パパとママに聞いたよ。地震の時は、ママが○○を抱きしめてくれて、パパがタンスを押さえて倒れないようにしてくれたんだって・・・」

 

東日本大震災のことを子どもたちに話すのは、1年に1回しかないかもしれませんが、語り続けることで、子どもたちが、感じて考えることが大切なことかもしれません。

 

「花は咲く」の歌を口ずさみながらも、まだまだ花が咲いていない被災地がたくさんあることを忘れずに、また、今年の3・11でも、自分に出来ることを問い続けるのです。