高木敏子さん原作の「ガラスのうさぎ」は、今から71年前の昭和20年3月10日の東京大空襲を描いた作品です。映画化もされました。
東京上空を約300機のB29戦闘機が飛来し、焼夷(しょうい)弾を投下、現在の江東区、墨田区、台東区などが壊滅的な被害を受けました。広島、長崎の原爆投下、沖縄戦とともに、一般市民の多くが犠牲になったのです。東京大空襲では、約10万5千人の命が奪われました。
3月に入って、東日本大震災の報道が続きますが、この震災での死者は、15,894人です。死者の数を比べることはできませんが、いかに、東京大空襲が酷く悲惨であったことがわかります。3・11の前日3・10の記録もずっと語り続けられねばなりません。
重い気持ちになりますが、今日は東京大空襲でのある人の手記を読んでいただきます。
「何かが燃えていて、そこで暖をとっている人達を見つけました。私もその火にあたりにいきました。近づくとそれは逃げ遅れた人の死体が燃えているのだとわかりました。私は死人の火で温まったのです」
今を生きる、戦争を知らないほとんどの日本人は、このような体験をすることなく、一生を終えます。戦争というものは、人から常識も何もかも奪ってしまいます。平和といわれる時代に生きる私たちが、一人一人、自分に何ができるかを考えることが大切ですね。
コメントをお書きください
舘石 昭 (土曜日, 12 3月 2016 00:04)
久しぶり。こんなに雄弁だったとは知らなかった。活躍している様子、嬉しく思う。