笑いを学校教育のど真ん中に

大阪府立金岡高校の和栗校長は、元放送作家という異例の肩書きを持つ民間人校長として、平成26年度から赴任しました。以前ブログでも紹介させていただきましたが、「笑いのある学校作り」に取り組んでいます。

 

例えば、「自分史漫才」では、一人一人の生徒が自分の人生を振り返り、グラフに転機となる出来事を書き起こします。すると、自分がコンプレックスだと感じていたことが「それ、面白いな」「貴重な経験をしたね」と他の生徒が興味を持ってくれた。と言います。

 

テレビの世界では、正解がないものを「これがいいかな」「こんな考え方もあるんじゃないかな」「これは面白そう」と自分の頭で考え、整理し、最終的に一つの形にする作業の積み重ねであると、和栗校長は語ります。

 

そして、既に社会の様々な場面で行われているアクティブ・ラーニングの手法をうまく学校教育の中に取り入れようとしています。これには、生徒以上に教員に考える機会を与え、今の授業を大きく転換させる狙いがあったようです。

 

教える側が、変わらねばならないということですね。

 

さて、このような、「笑いを学校教育のど真ん中に」という動きが、各地で徐々に広がっているようです。埼玉県越谷市立東越谷小学校では、「漫才教育」を行っています。平成25年に赴任した田畑校長は、不登校や学校しぶりが、あまりにも多いことに、「不登校ゼロを目指す」とし、保護者面談を行い原因分析や教育相談研修なども行い、組織的に児童と向き合えるようにしたそうです。

 

また、「校長講話」を「校長の10分授業」に切り替えて、そこで、笑わせる授業を展開したそうです。コンビやトリオをくじ引きで決めると、最初は普段ほとんど話をしたことがない仲間とネタ作りを通じて、人間関係力が培われていくそうです。

 

みなさん、自分の小中高校時代を振り返ってください。学校は昔から、真面目であることが求められ、授業中は、笑いが少ない場であったかもしれませんね。「笑う」という行為は、動物の中で唯一「ヒト」だけが与えられた行為です。

 

教育のど真ん中にもっていく価値は、十分にありますね。