知覧から考える「生きる力」

鹿児島県の「知覧」は、かつて、特攻隊員たちを見送った地です。ここから、まだ10代の若者たちが、死を覚悟して飛び立ったのです。

 

私も学生時代に、この「知覧」を訪れました。「知覧特攻遺品館」(現・特攻平和会館)を訪れた時は、遺品館のガラスケースに展示された特攻員たちが残した手紙を涙して読んだ記憶が蘇ります。

 

本当は生きたかったのに、愛する人を守るために志願して死を選んだ若者たちの、あまりにも純粋で、自らの命を失うことに、何の疑問もない手紙に、心が痛まずにはいられません。

 

ある中学校の校長先生は、卒業する生徒たちに語り続けていることがあるそうです。

 

「生きる力」とは何だろう。

あなたたちがこれから歩む長い人生で、これまで以上につらいこと、苦しいことが多々あるに違いない。それでも絶対に自らの命を自らで絶ってはいけない。生きたくても死ななければならなかった特攻隊員の無念を思えば、どんなことがあっても頑張って生き抜いていかなければいけない。

 

今年も、「知覧に行ってきました」という卒業生からの年賀状が届いているそうです。

 

これも、1つの「生きる力」の答えですね。