日本酒界の新風

私の住む埼玉県の日本酒の出荷量は全国4位と上位にランクされているのですが、「日本酒といえば埼玉」のイメージはありません。京都伏見、兵庫灘、新潟といったところの名前があがります。それでも、埼玉県には、全国で初めて全量を「純米酒」とした「神亀酒造」など個性的な酒蔵があります。純米酒とは、醸造用アルコールなどの添加物がなく、原料表示は、米・米麹のみのお酒です。

 

埼玉県幸手市にある「石井酒造」の8代目社長(28歳)と東京農業大学の醸造科学科大学院を修了したばかりの杜氏(29歳)がコンビを組んで、日本酒界に新風を起こしているそうです。社長も杜氏も新米コンビです。

 

「酒造りをなめるな!」という周囲の声もあったようですが、自分たちの行く道を信じて突っ走る二人です。彼らは、社長のカリスマ性も杜氏の技術もないが、前進する若さがあると自覚しているのが、強みだそうです。

 

インターネットで、酒造りの資金を募り、原料の酒米もフェイスブックを通じて知り合った20歳代の農家から仕入れ、ラベルは地元の20歳代の書道家に依頼する・・・まさに「青二才」たちの織りなすハーモニーです。

 

そんな、純米大吟醸「二才の醸(かもし)」が、2月に発売されるそうです。日本酒好きの私は、楽しみで仕方ありません。

 

彼らの目的は、「酒どころ・埼玉」のブランドを作りあげたいことです。これは、県内のどの酒蔵も願っていることでもあります。美味しい日本酒を作ることが大切であることは、昔から変わりません。しかし、話題を作ることに関しては、今までの日本酒業界の常識を破る手法をとったのが彼らのやり方です。

 

私は、もちろん「若造のくせに、けしからん!」ではなくて、「若い人たちの発想と実行力に拍手!」です。