長寿企業が多い日本

日本の会社の驚くべき数字があります。2013年帝国データバンクによると、創業100年以上の企業は、日本には26,144社もあるそうです。凄いのはこれだけではありません。2008年の少し前のデータですが、世界中の創業200年以上の企業5586社のうち、半分以上の3146社が日本の会社だそうです。

 

日本は、外国の植民地化を避けることができたことや、江戸から明治へ移行する激動の時代に、戊辰戦争や西南戦争を経験したものの、世界で見られるような長期の内戦がなかったことが、その理由として考えられています。

 

しかし、脳科学者の中野信子さんの見方は、少し違います。脳科学的な考察となっています。

 

ヒトの脳は、規範や前例を重んじることを快適に感じる脳とそれを不快と感じ、自分の方式を見出して、それを遂行することに喜びを感じる脳の2つがあるそうです。日本人の多くが、2つのパターンの前者になることから、結果的に長寿企業が多いという仮説です。

 

みなさんは、どう考えますか。また、みなさんが勤める会社は長寿企業ですか。

 

人それぞれ、考え方は様々でしょうが、日本人の素晴らしいところは、変えていけないコトと変えなければいけないコトのバランス感覚が優れているのだと、私は勝手に考えます。前年踏襲をずっと続ける会社は、すぐに倒産してしまうのが今の時代です。

 

和菓子の世界では、あの「虎屋」さん・・・何百年も続く老舗ですが、羊羹の味は、創業時のままではありません。時代の味覚に合わせて、少しずつ変えているそうです。作り方は大きく変わっていないものの、配合は時代によって変えてきたからこそ、今でも「虎屋」の羊羹が届くと、わくわくしてしまうのです。

 

さて、ヒトの脳の話に戻します。これからの日本の若者は、後者の自分の方式を遂行することに喜びを感じるパターンが増えていくのでしょう。若くはないですが、私も完全に、こちら側の脳ミソです。(笑)

 

それでも、ずっと長寿企業の半分以上が「ジャパンブランド」であって欲しいですね。