世界のユニークな学校①~ヴィトラ~

世界には、「こんな学校で学びたかった!もう一度学び直したい!」と思ってしまうようなユニークな学校がたくさんあります。今日から年末にかけて、そんな学校を紹介しながら、おやじ園長が勝手に意見します。

 

スウェーデンのストックホルムにある、自由すぎる学校と言われているのが、「ヴィトラ」です。ここには、決められた教室も学年もクラスもありません。時間割は、生徒が好きなように組み合わせます。室内デザインは、建築家によるアートな空間で、しゃれたデザインの家具なども配置されています。スウェーデンらしい、素敵なセンスの中で子どもたちが学んでいます。

 

6歳~16歳の子どもたちがここに通います。日本で言えば、小学校1年生から高校1年生の異年齢教育となります。「用途が定義されていない空間で、子どもたちを自由にさせておく」というのが、この学校の基本的な考え方です。

 

好奇心を刺激することによって、それぞれの生徒が自分なりの学習法を用いるよう促すこと。すべての生徒の能力を心から信じて、彼らのあらゆる質問を真剣に受け止めること。コミュニケーションを取り、常に他者を尊重して作業をすることを教えること。こんな、考え方で、先生たちは、生徒に接しているそうです。

 

「こんな学校・・・日本にあったらいいなぁ~」と思った人は、多いかもしれませんね。

 

しかし、今の日本での現実です。入社以来、30年以上努めた会社を定年退職で去ることになりました。「さぁ~今日から、あなたは、自由な時間を手に入れたのです。好きなことをやっていいですよ・・・」と言われて、多くの60歳を過ぎた男性は、「何をしていいのかわからない・・・」となってしまうのです。

 

与えられた指示を忠実に実践した会社人生・・・まじめに、こつこつと積み上げたスキル・・・それが、定年退職後にゼロになってしまう悲劇が起きています。

 

逆に、同じサラリーマン人生でも、常に現状を満足せずに、自分で考えることを習慣にしてきた人は、定年後の第ニの人生は、眩しいくらいに輝いてくるのです。

 

日本に、「ヴィトラ」のような学校ができれば、スウェーデンの子どもたちと同じように、自分でやりたいことをどんどん見つけることができる子どもたちもたくさん出てくるでしょうが、指導者の考えが追いつかないかもしれませんね。

 

「自由」というのは、とても素晴らしいことですが、「自由の落とし穴」も現実にはあるのです。あすの日本を担う子どもたちが、「自由」をその言葉通りに実践できるように、私たち大人たちも、自分の生き方を問い直し、子どもたちに接していかねばなりません。

 

子どもたちが「自由に考える」習慣が当たり前になるには、私たち大人が、刺激や機会を与えて、子どもたちの心に火をつけるのです。心に火がついたら、大人の口出しは無用です。見守ることが一番です。(笑)