千葉県習志野市にある谷津小学校は、昭和55年度から社会科研究の取り組み実践校として知られています。この学校が実践してきたことは問題解決学習です。子どもが課題を見つけ、その解決に向けて主体的・協働的に学んでいく内容だそうです。今、流行りの言葉を使えば「アクティブ・ラーニング」ということになります。
指導が難しいといわれる6年社会の単元「わたしたちのくらしと日本国憲法」では、若手教師が「裁判」を題材に模擬授業を行い、どのように授業を展開すればよいのかを公開研究会で提案したそうです。
内容は、「裁判員裁判」を疑似体験するロールプレーの授業です。身近なゲーム機の窃盗事件を取り上げ、本物の裁判と一言一句同じ台本を作成し、それを活用して模擬裁判を続けていきます。ポイントは、子どもたちが裁判員となって、話し合いながら最後に判決を下すことです。
現在の谷津小学校は、勤続年数5年以下の教員が学級担任の約6割を占めるそうです。若手教員がきちんと授業力を身につけるためには、公開授業で問題点を共有することが有効だと言われています。
子どもたちが社会に出てから必要になる力は、たくさんありますが、その中でも「問題解決力」は重要です。それも、一人ではなくグループ討議でそれぞれが自分の主張を出しながら、他のメンバーの意見を聞くことができるのが大切です。
先日、保育園の寺子屋の時間、グループ討議でクリスマスケーキカタログの中から1つのケーキを選ぶという課題を出した時のことです。あるグループは、4人がアイスケーキ、1人がチョコレートケーキを主張して意見が割れてしまいました。そこで、6歳のリーダーが多数決でアイスケーキと決めたので、チョコレートケーキを主張した4歳女の子が泣いてしまったことがありました。
実際の大人の議論では、少数派の意見でも、その内容に説得力があれば、話し合いによって、少数派意見が通ることもあります。4歳女の子は、自分の意見が通らなくて、悔しくて泣いてしまいましたが、次は「どうしてチョコレートケーキがいいのか」という理由を伝えることができるようになれば、1つ成長したことになりますね。
2020年までに、教職員の大きな世代交代が現実に起こります。教科書では教えられないたくさんの引き出しが必要になってきます。その目的の1つは、子どもたちが自分で考え、他の児童と話し合って答えを見つけるという、アクティブ・ラーニングということになるのです。
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