11月は、さいたま市内の認可保育園による実践報告会が行なわれています。できる限り、この報告会には参加しています。目的は、良い実践例を盗むためです。(笑)
昨夜は、3つの園の実践報告がありました。その中で、素晴らしい取り組みをしていたのが、常磐こころ保育園の「日本文化に触れながら子どもの成長を促す」という報告です。
最高学年の5歳児を対象に、茶道を年間計画として行っているという内容です。
地域ボランティアの裏千家の茶道の先生が、1年間のスケジュールで指導します。5歳児クラス22人を4グループに分け、5~6人で月に1回の茶道を学ぶという内容です。
保育園の狙いは、茶道を通じて、挨拶ができ、礼儀作法を身に付け、集中力を養うことだそうです。和菓子を食べる楽しみもあり、子どもたちは、茶道を始めてか生活習慣でも効果が出ているとのことです。また、4歳児園児は、「来年は自分たちが茶道ができる」と憧れの気持ちを持つそうです。ホワイトきゃんばすの寺子屋に憧れる2歳児と同じですね。
常磐こころ保育園の取り組みは、日本文化に触れる・・・地域の力を活用する・・・普通の習い事では、なかなか体験できないこと・・・子どもたちの興味を上手に引き出す内容・・・最後発表会では保護者も招待・・・など、目標とそれを達成するための手段、クリティークを通じての来期の見直しを行うなど、保育の質としても高く評価できます。
実は、他の2園の発表が、あまりにも残念な内容でした。1つは、「みんなの楽しいを見つけるために、こんなことをやりました。」という報告がメインで、目的も、この活動が、子どもたちの成長ににどのようにつながるか・・・といった考察もなし。
もう1つは、「担任交換が職員の都合が合わずうまくいかない」「エピソード記録を大きい用紙にしたら見やすくなった」など、子どもに直接関係することではなく、保育園の職員の都合です。
今回、玉川大学の教授が総評を行ったのですが、今までの経験では、「保育で忙しいところ取りまとめお疲れ様でした・・・」的な、総花的な褒め総評で終わることが多かったのですが、この教授は、「そろそろ、この報告会もただの報告の域から、きちんと、目標、検証、改善というプロセスの発表内容に発展させなければいけませんね」という、辛口の的を得た総評でした。私の悶々とした気持ちがスカットしたことは、言うまでもありません。(笑)
このように、保育園によって、保育の質という観点では、大きな差があります。保育園を利用する保護者におかれましては、見学をし、きちんとその取り組みを判断し、保護者の考えに沿った保育園を選んで欲しいですね。
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