今年度は、バイキング給食やデザートバイキングなどの食のイベントがない月に、何か楽しい取り組みをすることにしました。
今日は、「初めての給食」というタイトルで、戦後、食べるものが少なかった時代に、ララ物資などのアメリカからの支援で、日本で今の形に近い給食がスタートした頃の給食を現代風にアレンジしました。
懐かしいというより、保育園の職員たちが生まれるはるか前の給食です。(笑)
給食の先生が、「いただきます!」の前に、子どもたちに話をします。
「先生たちが生まれるずっと前に、戦争というのがありました、みんながやっている戦いごっこではなく、本当に人を殺してしまう戦争です。戦争が終わると、日本は食べるものが、なくなってしまいました。アメリカなどの外国から食べ物をもらって、給食がはじまりました。今日は、戦争が終わって、日本の子どもたちが食べた、初めての給食を作りました・・・」
寺子屋の園児たちは、その言葉に真剣に耳を傾けます。メニューは、すいとん風味噌汁・パン・魚肉ソーセージのソテー・脱脂粉乳です。脱脂粉乳を子どもたちは、不思議な飲み物を見るかのように覗き込みます。意外にも抵抗なく子どもたちは飲み干します。
「みんなは、毎日おかわりができるけど、昔は、おかわりはなくて、いつも子どもたちは、お腹を空かしていたんだよ・・・」と先生が言うと、6歳の女の子が、おかわりをしようとした手を止めます。
「今日は、おかわりしないで、がまんしてみる・・・」と言います。「○○ちゃん、いいんだよ・・・おかわりしても・・・」「でも、今日は、いろいろ考えて、おかわりしないでおく・・・」
6歳女の子が、戦後の食糧難の時代をどう考えたかは、わかりませんが、今では、当たり前のように、美味しい給食を食べているという幸せが、ここから始まっていることを少しだけ考えたのかもしれませんね。
私は、そう思うことにして、今日の6歳女の子の「今日はおかわりしない・・」の言葉に、ただただ感動するのです。
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