求む 教頭・副校長

校長、教頭になるには昇任試験に合格しなければなりません。私の認識では、校長、教頭を目指す先生なら、40代前半には教頭昇任試験に合格し、40代後半には校長昇任試験に合格しているものの、空きがないので、すぐにはなれないという狭き門でした。


しかし、今日の朝刊一面で「求む 教頭・副校長」には驚きました。なり手がないという記事です。


副校長というのは、2007年の学校教育法の改正でできた職で、人事管理などの経営面での校長フォローが中心の仕事です。現在、全国の公立小、中学、高校などの教頭は3万3846人、副校長は3646人だそうです。


そして、問題は教頭先生です。激務で敬遠され、やめる人もあるそうです。その仕事は校長の補佐に加えて、必要に応じて児童・生徒の教育をするだけでなく、保護者対応、PTA役員の窓口、地域の住民、自治体などの窓口など、言葉を変えれば、何でも屋さんです。


大阪市は、昨年度の教頭昇任試験の受験者が、2001年度の10分の1となったそうです。本人の出願制をを改め、各校長に候補者を推薦させ、受験させるそうです。


この4月に、保育園の卒園生の一人がさいたま市立栄小学校に通っています。プロレスラー高田延彦さんの妻で、タレントの向井亜紀さんの出身校ということで有名ですが、入学前の保幼小連絡協議会を仕切っていた教頭先生は、私の知り合いでしたので、激務の実態を聞かされました(笑)・・・


彼の志は、校長先生を目指すことですので、この4月にさいたま市浦和区の上木崎小学校に教頭先生で異動されても、激務に耐えて次の人事異動で校長になってもらいたいですね。偶然ですが、来年春に卒園する園児が、この小学校に入学します。○○ちゃんをよろしくと、しっかりとお願いする次第です。


「あなたが教師になった志は何ですか?」と聞かれた時に、「とことん子どもたちと関わっていきたい」と考える教師の多くは、教頭にも校長にもならないで「生涯現役教師」の道を選ぶことが多いです。私もそんな先生をたくさん知っています。


学校運営は経営と考えると、教師としての手腕よりも経営者として、子どもたち、保護者、教師陣やPTA、地域との調整能力が問われるのが現実です。大阪市のように、民間の校長先生を広く公募し、校長の役割は経営目線という考えが広がっていくのは事実です。


おやじ園長の寺子屋の時間は「よのなか科幼児版」と名乗っていますが、これは、杉並区の和田中学校のリクルートで勤務していた民間企業出身校長の「よのなか科」という授業を参考にしています。


そんなことを考えると、民間組織で揉まれた人材が、教育の世界でも必要になってくるのは必然ですが、「教師になりたい。子どもたちとともに学びたい」という志を持って、新卒で教師になった人材も重要です。


理想は、違う畑で育った人材が、ぶつかり合って、子どもたちのために、最高の環境ができれば、それが一番いいことですね。


小、中学、高校に通う子どもを持つ保護者の皆様。どう考えますか・・・