人の生き方を表現するのに、「誠実で真面目な人生」「自分のことよりも周りのことを心配する生き方」「自分を曲げないまっすぐな生き方」「死ぬまで恋多き人生」などなど・・・あげればきりがありませんが、先日亡くなられた高倉健さんは、「高倉健という生き方」という表現だけで、誰もが理解できます。こんな風に言われるなんて、やっぱり凄い人です。
高倉健さんが亡くなられてから、多くの追悼番組や主演映画が放映されていますが、私の世代では、ヤクザ映画の高倉健は知りません。「幸せの黄色いハンカチ」以降の作品です。あの薬師丸ひろ子さんが、当時全盛だった角川映画の「野性の証明」のヒロインに数千人の中から選ばれた時の、父親役が高倉健でした。私は、薬師丸ひろこさんと同じ年ですが、当時中学生だった私は、多くを語らずとも、高倉健の大きな存在感をスクリーンの中に感じた記憶があります。
テレビには出ないで映画にこだわる・・・不器用な生き方が美徳に映る・・・セリフだけでなくその存在で演技する・・・私生活はむやみにオープンにしない・・・私たちは、いつのまにか、そんな高倉健の生き方を、昭和の時代の日本男子の象徴にしていたのかもしれません。本当は、こんな風でありたいというあこがれに似た気持ちを高倉健に感じていたのでしょう。
しばらくは、テレビを通じて高倉健さんの映画を多く見ることになりますね。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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