「スイミー」という作品で知られている、オランダ生まれの絵本作家レオ・レオニさんの作に、谷川俊太郎さんが訳をつけました。
「ひとあしひとあし」なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし
『ちいさな、みどり色のしゃくとりむし。名前さえ知らない人がいるけれども、いろいろなものの長さを測ることができます。それにとても賢い。こまどりに食べられそうになったときも、しゃくとりむしは、しっぽを測ってあげることで難を逃れます。それから、しゃくとりむしは、いろいろなものの長さを測ります。フラミンゴのくび、おおはしのくちばし、さぎのあし、きじのしっぽ……
ある朝、ナイチンゲールがしゃくとりむしに難題を出します。わたしのうたをはかってごらん、と。測ることができないと、ナイチンゲールに食べられてしまいます。
しゃくとりむしは考えます。そして、いい考えが浮かびました。』
さて、みなさんはどんな考えが浮かびましたか?
答えは「逃げる」です。
よく私たちは、「逃げないで立ち向かうんだ!」のような勇気付けを他人や子どもたちにすることがあります。しかし、「逃げる」という行為は、卑怯で、意気地なしというマイナスイメージが先行して、選択肢の中には絶対に入らないことが多いですね。
私も保育園の子どもたちに、ついつい「逃げるんじゃないぞ!立ち向かうんだ!」なんて言ってしまっています。しかし、いじめなどの理由で学校に行きたくない子どもに「逃げるんじゃない!」は、逆効果です。私たち大人は、子どもに対して「逃げてもいいよ」という選択肢を考えなければいけない時代になったと言えます。
『どうも人間の世界には、この絵本の中の鳥たちのように、じぶんの価値を他人に計ってもらおうという連中が多すぎる。じぶんの思い通りにならないやつ、気にくわないやつは食っちまえという点も、この絵本の登場人物(鳥たち)と同じである。』
この絵本を通じて、作者は語っているようです。
他の園児は、自分とは違うということを認め、それを受け入れるという経験を幼児期にたくさんすることが、これからは大切になっていくのです。
「男のくせに・・・女の子なんだから・・・」という言い方も、NGです。
次世代を担う子どもたちには、必ず教えなければならないことですね。
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降り逃げ (土曜日, 15 11月 2014 21:01)
野球やソフトボールのプレーに「降り逃げ」というものがあるのはご存じかと思います。
実は降り逃げはルールを熟知し、経験が深く、一瞬の判断力に優れた者でしか成功しない非常に高度なプレーだと私は考えています。
私も長く続けたソフトボール経験の中で成功したのはたった一度だけでした。
降り逃げが成功すると監督は「ナイスプレーだ!」と、とても誉めてくれました。
野球やソフトボール以外でも、『自分で判断してそれが自分自身にとってベストの選択だとしたならばそれは良し』であると考えます。
子育てでは『勝つための、又は生きるための逃げ』なのか、『尻尾を巻いて諦めただけの逃げ』なのかをしっかりと自覚できる子供に育てなければわならないと感じています。