一番落ち着く我が家で、一晩を過ごした義妹は、朝になると、少し顔を傾けたようです。もちろん、重力が成せる技ですが、一緒に過ごした面々は「こっちを向いた」なんて言ってます。
そして、朝9時が過ぎ、納棺の時間となりました。まずは、これから49日の長い旅に出るために、故人には準備があります。
喉が渇かないように、布に水を含んで唇にあてます。手足をきれいにふき、足袋を履いたり、すね当てをつけたり、手には珠々を持ちます。最後に杖を右腕の下に置きます。この準備を皆でおこないます。
そして、柩に寝かせます。故人は花で囲まれ、子どもからの手紙や家族の写真、思い出の品々が入ります。
旅立ちの準備を手伝うことは、私自身は初めてだったのですが、逆に心が落ち着きました。故人の顔が笑っているように見えてきました。
その後は式場で、告別式が滞りなく行われ、火葬場では2時間以内で、あっという間に白い骨となりました。親族で骨を拾い上げていきます。
こうして、義妹は旅立ちました。旦那さんも二人の子どもたちも、義理の母も、そして私の奥様も、今日は泣き崩れることはありませんでしたが、しばらくは、思い出すように悲しみが心を襲うのでしょう。
でも、きっと、残された子どもたちは、母への感謝を忘れずに強く生きていくのです。
コメントをお書きください