「忙しすぎて子どもたちと向き合う時間がない」先生たちからそんな悲鳴を聞くようになったのは、今に始まったことではないですね。
OECD(経済協力開発機構)が、日本の中学校教員の勤務時間は最も長いとする国際調査の結果を発表しました。「土日を含む1週間の勤務時間が53.9時間で参加34カ国・地域の中で最長」とのことです。
原因は、事務仕事が圧倒的に増えており、教育委員会などへの提出事項が多い。事務仕事はセキュリティーの問題もあり家に持ち帰ることができないので、学校のパソコンで勤務時間内にやらないといけない。そうすると、授業準備を時間外にすることになり勤務時間が増えるばかり・・・とのことです。
色々な事情があるのでしょうが、教師である以上、一番重要なのは生徒たちと向き合う時間・・・そのために1日をどのように有効に使うか・・・
これは一般のサラリーマンにも言えることですが、本当に仕事ができる人は、忙しいとは言いませんし、どんどん仕事が回ってきます。忙しい忙しいと言う人ほど、実際は無駄なことをしている人が多いですね。
子どもに向き合う熱血感のある先生のほとんどは、忙しいという言葉は言わないでしょう。
今の中学校の教員は、例えば、部活の顧問は受けなくてもかまわないそうです。次女の吹奏楽部の顧問の先生を見ていると、1年間でどれだけ自分の時間があるのか心配するほど、子どもたちのために取り組んでいます。本当に感謝します。
でも、そんな先生は今では少数派ですので、部活などは、地域の力を借りる仕組みを作らねばならないでしょう。PTAに関わっていた時は、地域の指導者が卓球部のコーチとして指導していただくケースもありました。教える方も、やりがいを持って指導にあたっています。
前に、さいたま市の教員試験の面接官をさせてもらった時のこと。公務員志望の学生の選択肢の一つに「教員」があるという実態がありました。彼らの希望は公務員勤務で「教員も公務員だからいいでしょう~」という考えです。公務員希望は大いに結構ですが、教員だけは「教師がやりたいから・・・」という志望動機であってもらいたいですね。
日本の教育を良くしていくには、多くの課題があります。しかし、その一つとして小さいことかもしれませんが、地域の力を借りる仕組み作りは、大事なことです。地域のおっさんも大いに役立つ人材がたくさんいます。
子どもたちをなんとかしたい地域の大人たちが、うずうずして待っているかもしれませんね・・・
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