延長50回の奇跡

スポーツ新聞のトップに、軟式野球が掲載されるというのは、異例のことでしょう。

 

4日間、延長50回で709球を投げた中京高校の松井投手は、準決勝勝利の当日に行われた決勝戦でも4回から登板し1安打77球で完封リレーで優勝しました。この大会4試合で1047球を投げたそうです。

 

奇跡の試合とも伝説の試合とも言われた準決勝は、日本球界最長試合となりました。

 

軟式野球で思い浮かんだ大投手がいます。野球殿堂入りした元広島カープの大野豊投手は、プロ入団前は、出雲市信用組合で軟式野球をやっていたという異色の経歴を持っています。

 

中京高校軟式野球部の松井投手が、どこかの球団のドラフトにかかってもらいたいと期待しているのは私だけではないでしょう。(笑)

 

実は、現在のプロ野球選手の中には、中学時代は軟式野球(通常の野球部)経験者が多いようです。ざっと、ピッチャーでは6割、野手では4割だそうです。少年時代からリトルリーグで硬式球を握る選手が多い中、あの怪物江川投手・天才イチロー選手・ゴジラ松井選手も中学時代は軟式野球部です。

 

あるプロ野球のスカウトはこんなことを言っています。

 

「将来、野球を職業にしたいのならば早く硬球を握らない方が良い。高校入学後に硬式経験者より遅れるのは事実だけど、入ってからでも間に合う。変な癖がつくよりもいい。プロでも伸び悩むのは、そういう変な癖がついてしまっている選手だから・・・」

 

現代の指導法では、少年野球のピッチャーには、できるだけ変化球を投げさせないという考え方が主流です。硬式球よりも軽い軟式球であれば、もっと負担が減るという考えにつながります。

 

能力のあるプレーヤーは、硬式だろうと軟式だろうと関係ない・・・というのが結論かもしれませんね。

 

日本の女子ソフトボールもアメリカを決勝で破って、世界選手権を制覇しました。あの北京オリンピック金メダルの上野投手が、まだ現役バリバリで頑張っています。ソフトボール独特の球種に「ライズボール」というのがあります。下手投げなので、下から上に回転をかけると、地面から上に伸びる球種です。

 

まず打てません・・・私も一度だけ三菱重工の実業団ピッチャーと対戦することがあり、ライズボールを投げられました。バットを振るどころか、唖然と見送るしかなかった経験があります(笑)・・・上野投手は、北京オリンピックの時は、ライズボールなしの投球でも勝てましたが、今では、魔球ライズボールを武器に、三振の山を築きます。

 

2020年東京オリンピックでの女子ソフトボールの復活に向けて、頑張ってもらいたいですね。

 

軟式野球やソフトボールは、プロ野球という硬式野球の影に隠れてしまいがちですが、先週末の奇跡に酔っている私です。(笑)