今日は、8月15日・・・終戦から69回目の夏です。朝刊のコラムに、作家の山田風太郎さんが終戦の一日前の8月14日に記した日記が紹介されてました。そこには、「個」を潰しに潰してきた日本の社会に対する痛恨の念があります。
出る杭を打ち、変わり者を追い払う。日本人は「全く独立独特の筋金の入らないドングリの大群」のようになった・・・これは、戦時中の時代だからと読み流すわけにはいきませんね。
昨夜のテレビで、北海道浜中町の牛乳のことを取り上げていました。実は、日本のハーゲンダッツのアイスクリームのほとんどが、この浜中町の牛乳を使用しているそうです。
世界ブランドが、日本での展開をスタートさせるにあたって、日本中の牛乳を飲み検討した結果、最高品質の浜中町の牛乳となったそうです。
しかし、日本一の牛乳となるまでには、ある一人の「ドングリの大群にならない」男の力があったのです。浜中町農協の組合長です。
今では、農協という組織は、諸悪の根源のようなイメージで伝わっていますが、彼はただの異端児ではなく、浜中町のために、地域のために、そして日本の酪農農家のために様々なあつれきと戦ってきました。
「見える化」を図るために、すべての牧場の牛乳を毎日数値化し、問題点や成功例を共有する「研究所」を作ったり、浜中町民が隣町まで買い物に行く不便さをなくすために、赤字覚悟のスーパーマーケットを運営したり、酪農家の後継者問題を解決するために、他から酪農家になる家族を募集する仕組みを作ったり、365日休みなしの酪農家に休日を与えようと、酪農ヘルバーの組織化を行ったり・・・・挙げればキリがないほどの改革をここ30年間にやってきました。
この組合長の影響力が、多くの農協改革へつながっているようです。とても、いい話です。
ところで、浜中町はどこにあるかわかりますか?北海道の地図を思い浮かべてください。ちょうど右下です。釧路と根室の間にあります。霧多布(きりたっぷ)岬という場所があるのですが、年間を通じて霧が多い場所で、私も19歳の時にこの霧多布岬に行ったことがあります。真っ白で海さえも見えないくらいでした。霧多布だけに「きりたっぷり」とオヤジギャクが、今でも、通用する場所です(笑)
昨日の国際バカロレアではありませんが、戦後から69年が経ち、「個」だけでなく、まわりが見えて、少し先の未来を予測できて、相手をも受け入れる器の人間が、この日本にどんどん増えていってもらいたいですね。
次世代を担う子どもたちを育てるのが、今の私の大きな仕事です。
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