小1の壁

「小1の壁」という言葉を聞いたことがある方が多いと思います。

 

保育園に子どもを通わせていたが、小学校に入ると預け先がなくなり、親が仕事を辞めざるを得なくなる状況になってしまうことです。

 

政府は、2019年度までに「学童保育」を30万人増。「放課後子ども教室」を2万か所に倍増させると報道がありました。

 

厚生労働省が2013年5月に行った調査では、学童保育は全国に2万1482か所あり、約89万人が利用しているそうですが、希望しても利用できない児童も全国で約8700人だそうです。保育所同様、潜在需要ではさらに多いと言われています。

 

一方、文部科学省が所管する放課後子ども教室は、地域のボランティアらが、遊びや宿題をする目的で始まった事業で、2013年度では、全国で1万376か所で実施されているそうです。

 

私が、小学校のPTAにかかわっている時に、ちょうど、放課後チャレンジスクールという名前で、さいたま市として取り組みをスタートさせるモデル校となりました。地域の青少年育成会の方々に協力をいただき、宿題や遊びなどを指導いただいたことがありました。

 

しかし、学童保育と放課後子ども教室の連携は、厚生労働省と文部科学省との縦割り行政もあり、両方の関係者を一堂に会しての話しあいを持ちましたが、どうもギクシャクしています。

 

「歴史のある学童保育のように、上手にいくわけないだろう」という厚生労働省側の腹のうちと、「学童保育は宿題をさせるくらいで、勉強は教えられないし、遊びだって、校庭で勝手に子どもたちが遊んでいるだけだろう」という文部科学省側の腹のうちが、私にはよく見えていました。

 

今後は、ともに増えていくことになるので、お互いの強みを融合させて、子どもたちにとって大切なことを考えていってもらいたいですね。

 

さて、ホワイトきゃんばすでも、現在通園している園児が、小学校入学にあたって、学童保育の心配をするママがいます。さいたま市の中でも、認可外の保育園では、卒園生を対象にして学童保育を行っている例がたくさんあります。

 

信頼できる先生に就学後も見てもらえれば・・・という保護者の需要が多いということです。

 

学校施設内や近隣にある学童保育は、公立またはNPO法人が運営しているパターンが多いのですが、原則、勉強を教えることはできません。宿題程度はみることはできますが、基本は勉強なしの保育です。

 

ホワイトきゃんばすでは、今後卒園生対象に、学童保育を考えていきます。小学校まで、子どもを迎えに行くなどのオペレーションを詰めないといけないですが、新1年生には、寺子屋助手や園児たちへの世話やかかわりの中で、通常の学童では体験できないことをしたいと考えています。

 

待機児童の問題のクローズアップばかりではなく、「小1の壁」も、低くならないといけませんね。