さるかに合戦

保育園では、毎日朝の会で主任保育士が読み聞かせをしています。読み聞かせで大切なことの一つに、同じ本を何度も読むというのがあります。同じ本を繰り返し読むことによって、子どもたちの想像力が広がるからです。

 

今日は、「さるかに合戦」です。この本も、1か月に2回ぐらいは読みます。

 

おにぎりを持っていた蟹に、猿が言葉巧みに、自分が持っていた柿の種と交換します。「おにぎりは食べてしまったらなくなってしまうけど、柿の木が大きくなったら、毎年柿がたくさん食べられるよ・・・」と言うのです。

 

蟹は立派に柿の実を育てたのですが、木に登れないので、柿が食べられません。

 

そこに、猿がやってきて「僕が木に登って取ってあげるよ」と言います。

 

結局、自分ばかり柿を食べて、ついには青い硬い柿を蟹に投げて殺してしまうのです。

 

蟹の子どもが、臼、栗、蜂に頼んで、「ずるがしこい猿をやっつけました。めでたしめでたし・・・」で本はおしまいです。

 

すると、5歳女の子が手を挙げました。

「猿さんをやっつけたら、今度は誰が柿の実を取ってくれるの?」

 

いい質問です。主任保育士は、もちろん答えは言いません。5歳の女の子だけでなく、園児全員にどうなればいいか考えさせます。

 

すると、5歳女の子が、「ずるがしこい猿さんが、優しい心になって、みんなに柿の実を取ってあげるようになったんじゃないの・・・」

 

「別のいい猿がやってきて、柿の実を取ってくれると思う」と他の園児が・・・

 

もちろん、さるかに合戦・・・その後のストーリーは、子どもたち一人一人で作り上げればいいことですので、決まったストーリーでなくてもかまわないですね。

 

今日の朝の会では、それぞれの園児が、自分で考えることのきっかけになったのではないかと思っています。とてもいい感じです。