今日は、午前中にさいたま市保育研修会に出席してきました。
「あたらな時代の保育に向けて」~今、わたしたちの目指す質の高い保育とは~
のテーマで、保育環境研究所ギビングツリー代表で、現役の保育園園長でもある、藤森平司さんを講師に迎えての研修です。
気がつくとノンストップで「もう2時間経ったの?」というくらい、とても充実した内容でした。参考になる事例もたくさんありました。ホワイトきゃんばすが目標としている保育とかぶるお話もあり、集中して耳を傾け、メモを取った次第です。
保育の教科書に必ず出てくるのが、狼に育てられたアマラとカマラの事例です。アマラは発見された翌年に死亡したのですが、保護された時の推定年齢8歳のカマラは、7年間の教育を受けても1、2歳程度の言葉しか発することができませんでした。
専門用語としては、「臨界期」と呼ばれるのですが、子どもがある時期までに習得できなかったことは、その後いくら訓練をしても十分には得られないという内容です。
例えば、絶対音感の訓練は5歳が限界で、大人になって訓練しても習得できません。カマラの例も、狼に8年も育てられたので、すでに言葉の取得の臨界期を過ぎてしまったのです。
さて、藤森先生は、子どもの発達にとても重要な一つが、「他の子どもの存在」と言っています。「臨界期」などは、専門家によって、研究されているのですが、子ども同士のかかわりが、成長についながるという研究は、なかなかデータを取ることができないので、学術的には証明されていませんが、保育園の現場を見れば明らかです。
よく、3歳から幼稚園に通った園児よりも、0歳、1歳から保育園で育った園児の方が、小学校入学時に積極的で打たれ強いと言われるのは、他の子ども存在による影響力を保育園児の方がたくさん受けているからだと言えます。
2歳児までは、他の子ども同士のかかわりはなく、一人遊びとか平行遊びの段階と保育の教科書にはあるのですが、それは、言葉を通じたやり取りがないだけで、ホワイトきゃんばすでも、ゆりかごで遊んでいる0歳児を1歳児があやしているシーンをよく見かけます。この行為は、まさに0歳と1歳がかかわっていることですね。
今まで、保育園に子どもを預けることを悩んだママに対して、「おうちでママと二人きりの愛情たっぷりの環境で育てるのも、保育園という環境に旅立たせるのもどちらがいいというものではありません。最後は、ママが判断することです」と言っていたのですが、昔のように、大家族でおじいちゃん、おばあちゃん、たくさんの兄弟に囲まれた環境でなければ、間違いなく子どもの成長のためには、保育園に入れるべきですと言えます。
藤森先生は、保育先進国のドイツに毎年、保育園視察の研修で出かけるそうですが、ヨーロッパを中心とした国のほとんどは、小学校入学前は、異年齢保育が基本だそうです。小学校も異年齢というところもあるそうです。
大人になって、会社でも組織でも、当然異年齢(上司・同僚・部下・後輩)で一つのチームが構成されていますし、プロジェクトチームなどの活動も異年齢で行われますね。
日本人は、上司に何か言われると引きこもり、同年齢で群れるという性質があるようです(笑)。小学校、中学、高校と同学年教育の日本では、いきなり社会人になって、異年齢とのコミュニケーションが発生します。それについていけない若者が増えているのが現代社会です。
私の世代では、学校が終われば、近所の子ども同士で日が暮れるまで遊び、自分の親よりもうるさい、近所のおじさん、おばちゃんにどやされ、ガキ大将を筆頭とする異年齢の環境と地域の大人とのかかわりの中で、自然とコミュニケーション力をつけていったのです。
現代は、少子化、核家族化ですので、よほど、公園仲間同士で異年齢を体験させるか、積極的に子育て支援センターにでも通わない限り、子ども同士の遊びの環境は作れません。保育園の、しかも異年齢の環境に子どもを預ける方が、子どもの成長になるのです。
あらためて、ママ達には、自分のやりたい仕事、社会に貢献できる仕事をすることで、自分の生き方を続けていただきたいと思います。その間、子どもは保育園で、他の子どもの存在を通じて大きく成長します。キーワードは、異年齢の環境です。やがて大人になった時に、必ず役に立つと確信します。
まだまだあるのですが長くなりました。つづきは明日・・・
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