昭和62年3月をもって、日本国有鉄道が民営化されて、JRとなりました。民営化の目的の一つは収益を出すことですので、日本全国の多くの赤字ローカル線が廃止となりました。また、沿線自治体などが運営する第三セクター方式での運営となったところもあります。
千葉県の上総中野駅と大原駅を結ぶ26.8キロを走るローカル線も、国鉄時代の木原線が、第三セクターの「いすみ鉄道」として生まれ変わりました。
昨日の「ガイアの夜明け」では、廃線寸前に追い込まれたこの「いすみ鉄道」の奇跡的な回復を取り上げていました。
2009年、一般公募で選ばれた社長が、今の鳥塚社長です。元外資の航空会社の運航部長を務めていた方ですが、経営者として大きな仕事がしたいという強い思いで、既成概念を打破して新しい取り組みを行っています。
私も、鳥塚社長就任の前ですが、子どもたちを連れて、のんびり「いすみ鉄道」の旅をしたことがありました。当時も車窓からの田園風景が素敵でした。
鳥塚社長は、ムーミン列車を走らせたり、二人で21000円の伊勢えび列車を満席にしたり、グッズのネット販売などなど、いろいろな仕掛けをしていますが、究極は、700万円の訓練費自己負担の運転士募集です。
なんで、自分で700万円を払う運転手がいるの?!と思われるでしょうが、鉄道マニアの究極の夢は、本物の列車を運転すること。それなら、その夢をかなえるのに700万円出しても、自己実現する人が現れるのでは・・・
そして、今は、本当に鉄道好きな大のおとなが運転手です。そして、「原寸大の昭和」をテーマに、国鉄時代のディーゼル車両を購入して、なつかしさを演出し、夢は蒸気機関車の運行だそうです。
「都会の人間は、ローカル線にあこがれる・・・でも地元の住民にとってはお荷物になっているのが現実。そのギャップに早く気がつけば、打開策はいくらでもある」と鳥塚社長は言います。
廃線にならないように、みんなで乗ろう!と地元住民に訴えたところで、1日数本しかない列車に乗るはずもなく、現実の地元は車社会になっています。そこで、観光鉄道にしてしまって、広く全国から客を呼ぶ・・・
言われてみれば、当たり前なのでしょうが、こんなやり方で、地方ローカル線がよみがえってくれれば、うれしいですね。
私も若き頃は、リュックを背負って旅に出ていました。もちろん、列車での移動が中心です。今は廃線となった、国鉄時代のローカル線にも乗りました。ゆっくりと車窓を眺めながらの旅は、ある意味とても贅沢な気持ちになりますね。
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