目標は言葉にする

ソチオリンピック日本勢に初のメダルをもたらしたのは、スノーボードの15歳平野選手の銀メダルと18歳平岡選手の銅メダルでしたね。平野選手の言動を聞いていると、もう死語になっていますが、私の世代に良く使われた「新人類」を思い出します。もちろん、ひとつの枠に入らない凄い奴と言う褒め言葉です。

 

そして、全国民が残念な気持ちになったのが、高梨沙羅選手の4位という結果です。

 

今回のオリンピックで、世界中のどのメディアも金メダル最有力候補に挙げ、実際に彼女は、ここ20戦連続して表彰台です。そのうちのほとんどが、一番上の金メダルです。

 

「まだ17歳の彼女には、重圧が大きすぎたのでは・・・」とか

「オリンピックは、やはり魔物が住んでいる・・・」とか

「トリノのジャンプ台には、最後までなじめなかった・・・」とか

「追い風に距離を阻まれた。沙羅だからあそこまで持って行けた・・・」とか

 

日本のマスメディアやスポーツ解説者が総出で、分析を始めていますが、私は、ふとこんなことを考えました。

 

高梨選手は、小学校の時に「オリンピックで金メダルを取る」とよく言っていたそうです。しかし、2011年4月に、女子ジャンプが正式にオリンピック種目になると、その後は、いっさい「目標は金メダル」とコメントをすることなく「ベストを尽くす」とか「自分の思い通りのジャンプをするのみ」などのコメントに代わっています。

 

「金メダルという言葉は自分の胸にしまって結果を出そう」と思ったのでしょう。

 

しかし、目標は言葉にした方が、結果につながることを私は今まで多く見てきています。オリンピックについては、アスリート達の「目標は金」の言葉がそのまま叶うのなら、金メダルがいくつあっても足りないのでしょうが(笑)、少なくとも、言葉にし、明確に自分の脳に刻み、まわりもその気にさせることが、今の時代のやり方かもしれません。

 

スポーツだけではありません。仕事だって、勉強だってそうです。

 

社会人の頃の私は、まず「○○やります」と宣言することからスタートします。周りからは、「何ホラ吹いてるの」とか言われますが、自分へのプレッシャーとプライドが生まれます。秘かに心にしまっておくよりは、目標へ向かう力が大きくなるのです。もちろん、凡人の私が、結果を出せたことは少なかったのですが、目標を言葉にしなかったら、ゼロだったでしょう。

 

保育園の子どもたちも同様です。

「今年の目標は?」「いつまでに自転車に乗れるようにする」「○○ができるようになりたい」「○○ちゃんと仲良く遊ぶ」などなど、できる限り言葉にするようにします。

 

もちろん、すぐに忘れてしまいますが、心(脳みそ)のどこかには、必ず刻まれていると思っています。

 

最後に、沙羅ちゃん・・・長い人生を考えたら、17歳の挫折が、もっともっと君を大きくすることだろう。いっぱい泣いて、また笑顔を見せて下さい。