除染作業

昔、地方に旅に出ると、テレビをつけてもNHKの他に民放が2つしか見れない。ましてや、関東では当たり前に見ていた「東京12チャンネル(テレビ東京の前身)」は決して見ることができませんでした。(笑)

 

今では、福島でも(失礼!)、元旦には人気ドラマの相棒スペシャルも見られますし、箱根駅伝だって当然見ることができます。

 

ただし、大きく違うのは、CMが大企業ではなくて、地元の中小企業の「新年のご挨拶」が多いことです。動かない映像に、素人っぽいナレーションの演出は、何かほのぼのとしていいものです。

 

さて、福島の問題の一つに「除染作業」があります。除染作業の段取りについては、国や県の詳細マニュアルがないそうです。よって、各市町村で、除染対応が任されている、悪く言えば丸投げといった実態があります。

 

市町村によっては、迅速対応で短期間に多くの民家の除染をするところもあれば、丁寧な対応で、除染数値を徹底的に減らして対応するところもあります。当然、1件当たりの除染スピードは遅くなります。

 

市民のクレームも2つに分かれているようで、「全然除染ができてないじゃないか!もっと丁寧にやってくれ・・・やり直ししてくれ!」と、「うちの除染はまだなのか・・・もっと迅速に対応してもらいたい」の対照的なクレーム内容に、役所の職員も困り果てているそうです。福島の復興は、福島県民共通の願いであるものの、毎日、途切れることのないクレーム対応に職員の疲労が積ります。

 

福島にある原発問題の深い根は、こんなところにも垣間見られます。

 

こんな福島の状況を考えると、原発なしの日本がこれからはふさわしいと思う気持ちが強くなるものの、また埼玉に帰れば、簡単に原発の結論を出せない自分に戻ってしまいます。

 

まずは、福島県内の除染が早く完了することを願い、福島県民が憤りを覚える「風評被害」については、福島産の農産物は、今や日本で一番安全といえます。なぜなら、すべてにおいて、放射能の数値をクリアーしたものしか出荷できません。他の県では、そこまで徹底できていません。

 

福島県産の商品を消費することぐらいしか、今の私にはできませんが、少しでも福島の人たちが元気になれるようにと願うのみです。