その男は、昨日160球を投げて完投しているのだが、今日の日本シリーズ第7戦の9回最後のマウンドに立っていた。
球場内からの地響きのような歓声・・・そして、テレビで見ているこちらでも、これが現実の出来事なのか・・・と鳥肌が立った。
そして、30回以上も日本シリーズに出場している名門ジャイアンツを倒し、球団創設以来初めての日本一となった。
もちろん、この男の力があってからこそだ。
監督はこう言った。「普通なら考えられないメチャクチャな継投だが、彼が投げるというものだから、最後は彼で行くと決断した。」
野球のセオリーさえも、変えてしまった男だ。
先発・中継ぎ・抑えと現代野球は、システムだ。これが勝つためのセオリーでもある。先発投手の目安は100球とされ、9回を一人で投げ抜くということは、珍しくなった。メジャーリーグではほとんどない。
古き良き「野球」を取り戻してくれたのが、まさにこの男である。気合と精神力で投げれば、肉体の疲労をも凌駕してしまう。今シーズンペナントレースで一度も負けず24連勝した彼だけができることなのかもしれない。
田中将大・・・マー君と気軽に呼ぶのは、今夜はやめておくことにしよう。
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