鹿児島の中でも、指宿(いぶすき)の言葉は、皆目わからない。
指宿で有名な砂風呂に入る。観光っぽくて、当時の旅のスタイルでは、パスなのだが、「砂かけババァ~が、砂をかけてくれるんだ」という、どなたか旅の人の話で、ちょっとやってみようという気になった・・・
砂かけババァ~と勝手に呼ばれている、おばあさんが、話しかけてくるのだが、私には通じない。あいまいにニタニタしながらうなずくと、砂をかけてきた。だんだんと、お尻、背中と熱くなってくる。
また、何か話しかけてくる・・・「熱いかい?」と聞こえたような気がしたので、うなずくと。ニタッと笑っている。たぶん、いい湯加減ならぬ、いい砂加減じゃろ~と思っているに違いない。
私の経験では、国内の言語では、この指宿弁と青森の津軽弁が、理解不能であった。
その後、開聞岳(かいもんだけ)という、高さは1000メートルを切る程度だが、富士山のように美しい山を登る。登り始めがゼロメートル地点なので、結構きつかったが、知り合ったワンダーホーゲル部の高校2年生の若者(私はこのとき大学1年)のペースに意地でもついていった。
彼とは、特に何を話したのかも覚えていないが、夕方下山して、バスで鹿児島市内へ向かおうと思ったら、すでに終バスは行ったあと。仕方なく、歩き始めると、赤いカローラが、止まってくれた。
「乗せてあげるよ」という、25歳くらいのOL二人組み。
ネッシーならぬ、「イッシー」という恐竜がいると言われている池田湖にも連れて行ってもらった。湖畔では、「出たぞ!出だぞ!出だぞ!」から始まる「イッシー音頭」がエンドレステープで流れている。不思議な空間であった。
ちなみに、「イッシー」は、池田湖に棲む巨大うなぎが、湖面を飛び跳ねた瞬間の映像が、恐竜に見えたのが「イッシー伝説」の始まりだそうである。
当時の鹿児島では、相当おしゃれな「喫茶店」でお茶をご馳走になり、約7割がた、彼女たちの職場での四方山話を聞くはめとなったものの、何十キロも歩かなければならなかったところを逆ヒッチハイクいただき、ありがたきしあわせ。
ちなみに、今でも「イッシー音頭」の最初のフレーズは歌えます(笑)
コメントをお書きください